(全然心配する必要サプリメント マカ

(全然心配する必要がなかった)
 ゲームの中ボスを倒してしまった。ゲームのアントシアニンの効果ゴーヤ チャンプルー開が変わったらどうしよう。なんかおかわりがいっぱい来た。今ここである。
「……っ、逃げよう!!」
 チロもさすがにこれには同意なのか素早くミモザの肩へと駆け登った。
 そのままとにかく走る。幸いなことに走る速度はミモザの方が速いようだ。
 しかdha epa dhaし重要な問題があった。
(逃げるってどこに?)
 普通の野良精霊ならば村でいい。大人達が大人数でかかればよくいるうさぎ型や犬型の野良精霊は簡単に始末できるだろう。しかし相手は狂化個体である。しかもおそらく本来ならこんな人里には来ないような森の奥深くに生息しているはずの熊型だ。
(これ、村に行ったらまずいんじゃないか)
 今更ながらに気づく。このままでサプリメント マカは村が危ない。
 別にミモザのことをいじめた連中やその他の仲良くもない奴らが死んだところでミモザは困らない。その程度に薄情な人間な自覚はある。けれど村には、
(ママがいる)
 母親が危険にさらされるかも知れない。ミモザにとってそれだけは避けたい事態だった。あとついでに姉もだ。復讐の前に死なれては寝覚めが悪い。
(いやもしかしたらお姉ちゃんならなんとかなるのかも知れない)
 それこそ主人公補正やらなにやらでだ。
(しかしそれはそれで腹が立つ)
 ミモザは立ち止まった。そして振り返ってチロに手を伸ばゴーヤす。
「チー」
 チロは心配そうにしながらも、その身をメイスへと変えてくれた。
「ごめんね、チロ」
 謝ってメイスを構える。
 目の前にはもう熊の群れが押し寄せて来ていた。
「けど、譲れないこともある」
 意識を集中させる。あの熊は硬い。骨や皮のある部分は狙うべきではない。狙うなら口か目だ。
(こんなに大勢かー)
 ミモザはこれまでメイスの棘を同時に1本しか伸ばすことに成功していない。しかしゲームの中のミモザはそれこそ変幻自在に複数の棘を同時に伸縮して槍のように扱っていた。
(できるはずだ)
 ゲームのミモザができていたのだから。
 姉に無様に負ける出来損ないにもできていたのだから。
「できなきゃダメだ!!」
 メイスの柄の部分を地面に突き立てdha epa dhaる。そして棘の部分はーー、
 全てあらぬ方向へと伸びた。
 うちの何本かは幸運なことに熊の方へと向かいその目を差し貫く。しかしせいぜいが2.3匹程度で仕留められたのは正面にいた1匹だけだ。
(もう一度っ!)
 棘を引っ込めて後退りし距離を取る。近づき過ぎれば仕留められるのはミモザの方だ。
 複数の棘を同時に伸ばすことには成功した。次はコントロールだ。
「いけ!」
 もう一度伸ばす。今度は前方の棘だけを伸ばすことに成功したが、まったく熊の目には刺さらず分厚い毛皮と骨に遮られる。
(おかしいな)
 そこでやっとミモザは気づく。攻撃が通らなさすぎる。
 ゲームの中のミモザは雑魚だが、しかし野良精霊に攻撃が通らないほどではなかった。ピンポイントで粘膜が露出した場所を狙わなければ倒せないというのは違和感がある。
(この熊が中ボスだからか?)
 しかし序盤の中ボスである。こういうのがボスですよ、というチュートリアルに出てくる程度のものだ。
(ーーということは)
 考えられる可能性は一つだゴーヤ
 今のミモザが弱すぎるのだ。おそらくだが、ゲーム開始時よりもチロのレベルが低い。
 実はこのゲーム、レベルが見れるようになるのは一番最初の試練の塔を攻略し終えてからである。
 そして試練の塔に入っていいのは13歳から。この世界の成人年齢をすぎてからなのである。
 つまりぎりぎり12歳のミモザにはレベルが見えない。
(これ、もしかして詰んでる……?)
 ミモザの額を冷たい汗が伝った。

 事態は膠着していた。
 大振りな攻撃をしてくる熊達と、一定の距離を保ちつつ立ち回るミモザの攻撃は互いに一向に当たらない。
(気が遠くなってきた)
 これがゲームならミモザはもう投げ出している。しかし今のミモザにとってこれは現実だ。投げ出せば待っているのは死である。
 そして単純にこの膠着状態がこれ以上続けば不利なのは仲間のいないミモザの方だった。
(まさかこんなところでぼっちを思い知らされるはめになるとは……)
 昨日までのミモザは想像もしなかっただろう。熊相手に友達多いマウントを取られているこの現状のことなど。
「……あっ」
 そんなミモザにミスが出たのは必然だった。迫りくる熊と距離を取マカるために背後に踏み出した足を木の根に取られてしまったのだ。
「………っ」
 慌てて手をつきバランスを取るが、地面に膝をついてしまう。
 ずっとミモザを食ってやろうと狙っていた熊達がその隙を逃すはずもない。
(あ、これ死んだ)
 そう悟った瞬間、目の前に迫り来る熊達の顔面が急に目の前から消えた。
マカ亜鉛 の サプリ亜鉛の効果

 そこは森の中亜鉛 の サプリ

 そこは森の中だった。
 青々と生い茂る木々や草花、頭上まで覆う木の葉の隙間から亜鉛 サプリ おすすめ木漏亜鉛の効果れ日が溢れる。
 どこか遠くで鳥の鳴く声がしていた。
 ミモザはあたりを見渡すと遠くに何か光る物が見えた気がしてそちらに近づく。そこにあったのはーー、
「聖剣……」
 木々や草ゴーヤ チャンプルー花がそこだけ生えるのを避けたかのような森の中の突如開けた空間に、その何の変哲もない剣は刺さっていた。
 近づいてしげしげと眺める。
 ごくり、と一つ唾を飲み込んだ。
 ミモザはそれに手をかけると、勢いよく一気に引き抜いた。
「………抜けた」
 思わずぽかんとする。しかし何か力が湧いてくるような気配はない。
 どうしよマカうかな、と剣をぷらぷら振ってみると
『何のために力を望む』
「うおっ」
 剣から声がした。もう一度振ってみる。
『何のために力を望む』
 まったく同じセリフがきた。
(なんか、あれに似てるな)
 ボタンを押すと決まったセリフを喋ってくれる人形みたいだ。
 ミモザはもう一度振ろうとして
『振るな。何のために力を望む』
 注意を受けた。どうやら録音された音声が再生されているわけではないらしい。
 ミモザは周囲を見渡して誰かが近くに潜んで腹話術をしていないかを確認してから、小さく一度息を吸って、言った。
「奪い返すために」
『何を?』
 その質問にちょっ亜鉛 の サプリと悩んで、告げる。
「僕の、生きる価値を」
 しばしの沈黙が落ちる。ミモザはあまりにも正直過ぎたか、と少し後悔した。
 あまりに利己的で小さな動機だ。
 世界を救うためじゃない。誰かを助けるためでもない。
 自分自身を、満足させるためだけだ。
 たったそれだけのことに命を賭けている。
 自分のちっぽけで、あまりの小者ぶりに笑えてくる。
 そこまで考えて、ふともう一つ思いついた。
「大切な人を守るために」
 レオンハルト。
 ミモザの脳裏にあの藍色の髪と金色の瞳がちらつく。
 彼が死んでしまったり、狂化に飲まれてしまう運命さえ変えられれば、例えミモザがどうしようもない奴でも、例えミモザが聖騎士になることに失敗したとしても、上出来ではないだろうかクロム
 ミモザは微笑む。
 先程の自嘲の笑みとは違う、それはとても穏やかで見る者の目を奪うような満ち足りた微笑みだった。
『ふむ』
 聖剣は考え込むような声を発する。
『動機が不純なのはまぁいいが、魔力が足りんからダメじゃ』
「え、」
『あと不適合者が触れた場合は私はここから解放されることになっておる、感謝する』
「え?」
 そしてばきり、と剣は折れた。
「……………」
 ミモザは折れた剣を見つめて呆然とする。
(魔力の話なんか聞いてない)
 ゲームではそんな設定はなかったはずだ。
「クソゲーめ」
 淡い期待を抱いて損をした。ちぇ、と口を尖らせてミモザは折れた剣を投げた。それはミモザがここに入る時に通過した壁にぶつかり、そして通り抜けて消えた。
「いてっ」
 続けて、誰かに当たった音と声がした。
 ミモザは慌てて壁に頭を突っ込んで異空間の出入り口から外を覗く。
「あ亜鉛 サプリ おすすめー、なんじゃこれは」
「折れた剣みたいだね」
 息を呑む。そこには以前第5の塔で遭遇した老人、保護研究会のロランが頭をさする姿と、その隣で剣の残骸を拾う見知らぬ少年がいた。
 少年はミモザとちょうど同じくらいの年齢に見える。淡い水色の髪に水色の瞳をした中性的な美少年だった。真っ黒い礼服とネクタイという服装と声でかろうじて少年であろうと推察できた。
 にこやかに微笑んでいるように見えるのに、何故だか不吉な印象を与える少年だ。
 ミモザは少し悩むと、彼らが折れた剣に気を取られている隙にそっと異空間から抜け出して彼らの背後へと回った。
 そしてチロをメイスへと変えるとロランへ向けて振り上げる。
「ロラン」
 水色の少年がまるで後ろに目がついてでもいたかのように振り返るとミモザへと杖を向けた。
 そこから風の刃が鋭く放たれる。
「……っ」
 ミモザは素早く後方へと飛んでそれを避けた。
「あっ、おぬしは」
 ロランがミモザを見て声を上げる。
「知り合いかい?」
 少年は親しげにロランに声をかけた。年端もいかない少年が老人に対等な立場で話しかける様子はいやにちぐはサプリメント マカぐな印象を受ける。
 しかしロランは気にせず少年の問いかけに頷く。
「第5の塔で邪魔をしてくれおった小娘じゃ」
「あーあの、聖騎士の弟子だっけ?」
「そうじゃ」

『どうしてここに?』

 見知らぬ少年とミモザの言葉がかぶった。
 ミモザがメイスを構え、ロランも槍を構えた。その間に立つ少年はまるで降参でもするように両手を上げながらにこりと笑う。
「まぁ落ち着きなよ。ボクは君と敵対するつもりはないよ。今はね?」
「なぜですか?」
「メリットがないからさ。逆に言えば君と仲良くしてもデメリットがない」
 ロランも落ち着きなよ、と彼は声をかける。
「むぅ、しかしこの小娘は……」
「話は君から聞いて知っているよ。なかなかの食わせ者だっていうのはね」
 彼は心得ていると言わんばかりにぱちり、とミモザにウインクをしてみせる。
「でも君も今は手を出す理由がないんじゃない? 僕たちは今、なんの犯罪行為も犯してないんだからさ」
「貴方はともかくそちらのご老人は脱獄犯ですよ」
「まぁまぁ、それだけじゃない」
「大問題なんですけど」
 あの後レオンハルトの機嫌が悪くて大変だったのだ。なだめるのにどれだけ苦労したことか。
 半眼で見やるミモザに、彼は人差し指を顔の前でピンと立てて見せると「聖剣」と呟いた。ミモザはぎくりと肩を揺らす。
「こんなところで遭遇するなんて、ポリ ペプチドそれ以外に理由があるかい?」
「なんのことだかわかりませんね」
 そらっとぼけるミモザに「実は随分前からこの場所に目星はつけていてね」と彼は語りかけた。
「けどここから先、聖剣の取り出し方がわからなかったんだ」
 先ほどミモザが投げ捨てた折れた剣を彼はかざして見せる。
「これ、壊れているけど聖剣だよね? そしてこの剣の出現と同時に君は現れた」
「……僕はただの通りすがりです」
 苦しいがミモザとしてはそう言ってしらをきるしかない。ここで認めるのは悪手だ。
 ふむ、と彼は一つ頷く。
「質問を変えよう。ここに来るまで手掛かりとしてあるはずだった石碑がすべて破壊されてたんだよね」
「あ、あー……」
「知らないかい? 石碑」
「知りません」
「ほんとーに?」
「知りません!」
 しばし、じぃっと彼はミモザのことを疑わしげに見つめた。ミモザは必死で目線を逸らした。
「………」
「……………」
「…………………」
「………………………すみません、それあげるんで勘弁してください」
「やっぱり壊したのは君だったか」
 まぁここに三人しか人がいない以上、その中の誰かが犯人なんだけどね、と少年は肩をすくめる。
「ボクとロランが違えば君しか犯人いないよね」
「他の第三者かも知れないじゃないですか」
「本気で言ってる?」
 もちろん、本気では言っていない。悪あがきをしてみただけだ。
「ご先祖様の手記には場所の手がかりは書いてあったけど取り出す方法は書いてなかったんだよね」
「ごクロム先祖様?」
「そう。ああ、そういえば名乗ってなかったね」
 そういうと少年は綺麗な礼をしてから黒い五角形を取り出して見せた。五角形の一番上の角に金色の印がついている。
「ボクはエオ。保護研究会の五角形のうちの一角だよ」
 彼は美しく微笑んだ。
 その名前にミモザは聞き覚えがあった。
「貴方がバーナードの言っていた……」
「……ああ。彼を捕まえたのも君なのか」
 彼の言葉にしまったとミモザは迂闊な発言を後悔する。
(敵だとみなされただろうか)
 いざとなったら逃げ出そうと片足を後ろに下げたところで、彼はそれに気づいたように苦笑した。
「ああ、気にしなくていいよ。保護研究会のメンバーはそれぞれ独立していて仲間意識は薄いんだ。一角が削れたって別の誰かがそこに補充されるだけだからね」
「……はぁ」
 それはなんとも薄情な話である。
 しかしロランは彼とは異なる意見なのか案ずるように「バーナードはどうなった?」と尋ねてきた。
「……今は牢屋に収監されていますよ。しかし犯した罪が罪ですから。近いうちに死刑が確定するでしょう」
「……そうか」
「おっと、そういえば例外がいたねぇ。君はみんなと仲が良かった」
 呆れたように、しかし許すように微笑んでエオは言う。
「そうだな、君が望むなら彼のことを牢屋から連れ出してあげても構わないよ。君のことを連れ出したようにね」
(エオがロランのことを脱獄させたのか)
 ミモザは驚く。どうやら二人はそれなりに親しい仲のようだ。ロランは彼の提案に少し悩んだ後、
「いや」
 と首を横に振った。
「助けに行くならわしが行くからいいわい」
「それは良くないなぁ」
 それにエオは難色を示す。
「君の脱獄があってただでさえ警備は強ゴーヤ化されているし、その上彼は王国騎士団団長の恨みを買っているからね。君が行ったら一緒に捕まるのがオチだよ」
「む、む……」
「行くならボクと一緒だよ。それ以外は認めない」
「むぅ……」
 ロランは困ったように眉を寄せ、結局「少し考えさせてくれ」と結論を見送った。
 どうやらこの二人に関しては主導権はエオが握っているらしい。
 エオはこちらを見ると「脱線しちゃったね。なんだっけ? 自己紹介だったっけ?」と首をひねった。
「もうお名前はお伺い致しました」
「そうそう、そうだったね。ちなみに本名はアイウエオだよ。長いからみんなエオって呼ぶんだ」
「50音じゃん……」
 その補足情報に思わずミモザは小声でつっこんだ。
「え、」
「ん?」
「あ……」
 ミモザはぱっと自分の口を両手で塞ぐ。
 エオと名乗った少年はそれを面白そうに眺める。
「君、この音の並びに心当たりがあるの」
「ありません、ありません」
「ふーん?」
 ミモザは冷や汗をだらだらと流す。
(なんで日本語の50音が名前なんだ……?)
 全くもって意味がわからない。
「ゴジューオンって、なんじゃ?」
 二人のただならぬ様子にロランが首を傾げる。
「うふふ、なんだろうねぇ」
 明らかにわかっている様子のエオはにやにやと言った。
「ちなみにこれはご先祖様の手記に記されていた音でね、50文字が5から3文字のまとまりで記されていたものだよ」
 やっぱり50音表だった。
「ここから順番にうちの人間は名付けられることになっている。ちなみにボクは一人っ子だけど弟が生まれれば名前はカキクケコになっていたはずだよ」
 あまりに雑過ぎる名付け方だ。そしてやっぱり意味がわからない。
 エオの言った情報が本当だったとして、日本語の知識があったのはエオではなく先祖だったということになる。
(そういえばご先祖の手記に聖剣の場所の手がかりが書いてあったって言ってたな)
 ということはエオの先祖はゲームのプレイdhaヤーだった可能性が高い。転生なのか転移なのかはわからないが、それに類する何かなのだろう。
 そこでふと、ミモザは思い出した。
「あのぅ、もしかしてなんですが……」
「うん?」
 エオは促すように顎を上げる。
「貴方のご先祖様って、ハナコ・タナカ様って名前じゃありませんか……?」
 以前聞いた150年前の異世界チートのお方である。
 その質問にエオは目を見張ると「驚いた」と口にした。
「その通りだよ。よくわかったね」
「ははは……」
 なるほど、納得である。
「ボクはフルネームをアイウエオ・タナカというんだよ」
 聞けば聞くほどふざけた名前だ。しかし日本の知識がない人間は少し変わった名前としか思わないのだろう。
「それで? えーと、君は……」
「あ、ミモザです」
「ミモザちゃん、君は何者なのかな?」
 にやにやとエオは察しがついているように尋ねてきた。
「えっと、僕はレオンハルト様の弟子で……」
「うん、知ってる」
「えーーーーとっ」
 ミモザの思考はぐるぐると空転する。彼は敵か味方かというと敵寄りの人間である。
(ーーというか)
 はっとミモザは気づく。
(彼は主人公の攻略対象では?)
 確か保護研究会にも一人いたはずだ。天才キャラだったと記憶している。
 立場の強そうな美少年。その上、日本の知識あり。
(攻略対象な気がする)
 しかし確証はない。記憶があやふや過ぎてわからないのだ。
「うふふ」
 黙り込むミモザをどう思ったのか、エオは笑うと折れた聖剣を振って見せた。
「まぁ、これの提供に免じて今は君の正体は暴かないでおいてあげよう」
「ありがとうございます」
 普通に助かったのでミモザは平身低頭した。
亜鉛 サプリ おすすめ亜鉛 サプリクロム亜鉛ゴーヤ

「じゃあ、そろ亜鉛の効果

「じゃあ、そろそろ塔の最上階へと行きましマカ と はょうか……」
ゴーヤ なんとか立ち直ったジーンは力無くそう言った。まだその顔色は青白い。
「ジーン様はもう鍵を見つけられたのですか?」
「え?ええ、先ほど拾いました」
 そう言って彼は、銀の鍵を取り出してみせたマカ と は
「……………」
「まぁさすがに金は見つかりませんよ。でも思ったよりすぐに見つかって良かったです」
「すぐに」
「ええ、入り口の近くに落ちてまして……」
 にこにこと悪気なく笑うジーン。ミモザは無言で自分のハンカチを取り出すとそこに包んでいた大量の銅の鍵をザーっと地面へとばら撒いた。
「えっ、ミモザさん、随分と大量に……」
 言いかけて気づいたのか彼はそこで言葉を止めた。
「え亜鉛の効果っと」
「すぐに見つかったんですか」
「え、えーと、どうだったかな」
「入り口の近くで」
「もしかしたら結構込み入ったところにあったかも」
 誤魔化すジーンに、ミモザはにこりと笑いかけた。
「ジーン様、いつ塔にいらしたんですか?」
「えっと、10分、いや15分前かな」
「そうですか、僕は朝の5時頃からいます」
「…………」
「今、何時でしたっけね……」
「え、えーと」
 気まずそうにジーンは言った。
「そろそろ昼食時ですね……」
「ふっ」
 ふっふっふっ、とミモザは笑う。声は笑っているがその表情は半泣きだ。dha epa
「ミモザさん……」
 痛ましいものを見る目でジーンはそっと、ミモザの背中に手を添えた。
「大丈夫です。現実をしっかり受け止めましょう。怖くないですよ」
「うわーん!!」
 ミモザは再び地に伏した。ジーンは先ほどのミモザのように無言でその背中を慰めるように撫でた。

「行きましょうか……」
「はい……」
 2人してしょんぼりと肩を落として歩く。階段を登ってすぐにその扉はあった。
 鍵をさす。回す。
 かちゃり、と小さな音を立ててその扉は開いた。本来なら初めての塔の攻略に感慨深くなるのかもしれないイベントを2人は無感情に淡々とこなした。
 感動するには2人とも心が疲弊しすぎていた。
 扉の向こうには暗闇が広がり、そこには一つだけ光が浮ゴーヤかんでいた。それはゆっくりとこちらへ近づくと右手の甲へと吸い込まれるように消えた。そこには花のような紋様が現れ、その花弁の内の一枚が銅色に染まった。それ以外の残り6枚の花弁は肌色のままである。
「塔の攻略の証ですね」
 そう言うジーンの手の甲には銀色の花弁が輝いていた。
 それを見てミモザはちっ、と舌打ちをする。
(そうだ、試しに……)
 第一の塔で得られる祝福、『観察』を使用してみる。使うことを意識してジーンのことを見てみると、そこにはゲーム画面で見るような表示が現れた。
『Lv強い MP多い HPまぁまぁ』
「………クソゲーめ」
 ミモザ、ハードモード確定の瞬間であった。

「では、僕はこれで」
 塔から出たところでジーンはそう言って小さく手を振って見せた。
「王都はこっちですよ?」
 来た道を指差して見せるがジーンは首を横に振る。
「先生に念のため塔の周辺を見て回るように言われゴーヤ チャンプルーているんです。野良精霊の異常が塔の周辺で起きると大変ですからね」
 ジーンは明言しなかったがおそらくその『大変』の中には塔の試練を受けに来て被害者が出ると被害者遺族の会との関係がまた悪化しかねないことも含まれているのだろう。
 そういうことならとミモザも同行しようか迷ったが、ステラと鉢合わせしてしまう危険性を考えるとそれははばかられて結局見送ることにした。
 ただでさえ銀の鍵が見つからなかったせいで予定が押しているのだ。当初の予定通りにいっていればとっくに帰っている時間である。
 ジーンが塔の奥にある森へ立ち去っていくのを見送って、ミモザもさて帰るかと振り返ろうとしたところで、
「あら、ミモザ?」
 嫌な声がした。見たくはなかったが見ないわけにもいかないのでゆっくりと振り返る。
 風に靡くハニーブロンドの髪、星を孕んだサファイアの瞳、透き通った肌に淡いピンクの艶やかな唇。
 にこりと笑って、彼女は言った。
「奇遇ねぇ、こんなところで会うなんて」
「お姉ちゃん……」
 そばにはアベルを伴って、ステラがそこには立っていた。
「あら?」
 ポリ ペプチド何かに気づいたようにステラは目を見張り、そしてそれを見てふふっ、と嬉しそうに笑う。
「ミモザ、もう塔に行ったのね」
 ミモザの右手を見たのだろう。そこにある紋様は塔を攻略した証だ。
「銅だったの?残念だったわね。でも大丈夫よ、ミモザ」
 彼女は微笑んで、慰めるように続ける。
「次の塔ではきっと銀が取れるわ」
「……うん。そうだといいね」
 ゲームではミモザは銅しか取れない定めであった。次も銅の可能性が高い。
 対してステラはあえてハードモードを選択しなければ銀以上は確実だろう。
(不公平だなぁ)
 はぁ、とため息をつく。
 卒業試合以降ステラときちんと顔を合わせたのはこれで2回目だ。1回目は試合後の夕食だ。その時はさすがにステラも無言で非常に気まずかったが、今の様子を見るにどうやら立ち直ったらしい。
 まぁたった一度の負けでへこたれる人間ではないだろうとは思っていたが、それにしてもご機嫌である。
「……何かいいことあったの?」
「わかる?」
 うふふ、とステラは笑うと「ジャーン」と可愛らしいお花柄の巾着袋を取り出して見せた。
「これなーんだ!」
 そう言いながら巾着袋を開けてその中身を手のひらに広げて見せた。
 じゃらじゃらと流れ出てきたそれは大量の魔導石であった。
亜鉛クロムゴーヤ チャンプルークロムの効能

 周囲は喧騒に包クロム

 周囲は喧騒に包まれていた。まだ日が高い時刻のため人マカ と はの往来も激しい。故郷の村では決して見ることのできない亜鉛賑やかで華やかな街の様子をステラは店主が店の奥から出てくるまでの時間を潰すために眺めていた。ふと自身の手が目に入る。右手の甲に浮かぶ花のような紋様のその花弁のうちの一枚が金色に輝くのを見てステ亜鉛 サプリ おすすめラはふふふ、と満足そうに笑う。
「お嬢ちゃん、計算が終わったよ」
 年配の店主がゆっくりと店の奥から出てくるとカウンターへ腰掛けた。彼は老眼鏡の位置を直しながら伝票と現金を弄る。
「全部でこのくらいの価格で買い取れるけどもね」
「わぁ!ありがとうございます!」
 なかなかの価格にステラは目を輝かせるdha。ステラの精霊騎士を目指す旅は順調に進んでいた。第1の塔では金の鍵を簡単に見つけられたし、野良精霊を倒すのも手間はかかるがそんなに難しくはない。初めは路銀稼ぎに苦労すると噂では聞いていたが、これだけ稼げるなら余裕で王都で過ごすことができる。
(ミモザは銅だったわね)
 卒業試合では遅れをとってしまったが、しかしミモザはミモザだ。やはりステラよりも劣っている。
(どうしてレオンハルト様はミモザを側におかれるのかしら)
 ステラの方が何においても優っているというのに。もしかし亜鉛 サプリ おすすめたら優しいレオンハルトはだからこそ妹に肩入れしているのかも知れなかった。いじめを受けて祝福も1番下のものしか受けることができない。確かに同情するには十分かも知れない。
 上機嫌でお金を受け取ろうとして、店主はしかしそれを手で覆って渡すことを拒んだ。
「………? 店主さん?」
「これは一日で取ったのかい?」
 店主はじっとステラを探るように目を見つめてきた。それに首を傾げてステラは頷く。
「ええ、そう……」
「ステラっ!!」
 そこで息を切らしてアベルが駆けつけた。物資の買い出しの途中でステラだけ抜けてきたので心配していたのだろう。彼は必死の形相だ。ステラと店主の手元を見て、アベルは顔を真っ青に染めた。
「これは子どもの時から集クロムめてた奴も混ざってるんだ!ガキの頃は換金なんてできなかったから!」
 そうして意味のわからないことを言う。ステラは首を傾げてアベルの言葉を訂正しようと口を開きーー、その口をアベルの手で塞がれた。
「………。まぁ、いいがね、厳密に一日に何匹狩ったかなんてのを取り締まるのはどだい無理な話なんだ」
 そう言ってため息をつくと店主は金をアベルへと渡した。
「けどねぇ、お嬢ちゃんら、やりすぎはいかんよ。多少は見逃されるけどね、あんまりにも度が過ぎりゃあ絶対に取り締まられる」
 ちろり、と店主の灰色の目が鋭くステラの目を射抜いた。
「密猟ってやつはね、加減を知らんといけんよ」
「………肝に銘じておきます」
 ステラの開きかけた口をまた手で押さえて、アベルは神妙な顔でそう言った。
「行くぞ」
 そのままステラの手を強引に取って歩き始める。その歩く速度の速さにステラは戸惑う。
「アベル、ねぇ、アベル!マカ サプリ
「1人で動くなって言っただろうがっ」
 怒鳴って、アベルはステラの手を離した。そのまま2人は橋の上で立ち止まる。無言の中で川のせせらぎだけが鳴っている。
 振り返らないアベルの背中は震えていた。
「アベル……?」
「わりぃ……、怒鳴るつもりはなかったんだ」
 アベルはゆっくりと振り返った。金色の瞳が、真っ直ぐにステラを見つめる。
「なぁ、ああいうことはやめよう」
「ああいうことって?」
「密猟だよ。一日に20匹以上狩るのはやめよう」
 ステラは首を傾げる。アベルが何故辛そうなのか、その理由がわからなかった。
「どうして?」
「法律違反だからだ。ミモザも言ってただろ。今回は見逃してくれたが、頻繁に繰り返すとまずい」
 ステラは表情を曇らせた。
「……アベルはミモザの味方なの?」
「お前の味方だよ!だから言ってるんだ!!」
 眉を顰める。ステラの味方なのにステラの行動を止める理由がわからない。
「でも、20匹以上狩ってもわたしは大丈夫なのよ。怪我もしないわ。そんな制限なんてなんの意味があるというの?」
「理由なんかどうだっていい!問題なのはそれが犯罪だってことだ!」
「アベル亜鉛 の サプリ……」
「なぁ、ステラ、わかってくれ。俺はお前が大事なんだ。傷ついてほしくない」
「……わかったわ」
 本当はわからない。けれどアベルがあまりにも辛そうで、ステラはそう言っていた。
「ステラ……っ」
 アベルが安心したように破顔してステラを抱きしめる。
「ごめんね、アベル。アベルの嫌がることをして」
「いいよ! いいさ、わかってくれれば!」
 ぎゅうぎゅうとアベルに抱きしめられながら、ステラは思う。
(アベルが気づかないようにしないと……)
 知られるたびにこうもうるさく言われては面倒だった。

 かたん、と軽い音を立てて扉を開ける。
「ああ、ミモザ。帰っていたのか」
「レオン様っ!?」
 部屋から出た途端にかけられた声にミモザは飛び上がった。
 彼もちょうど帰ってきた所だったのだろう。自室の扉を開けて入ろうとした時にミモザが隣の部屋から出てきて鉢合わせたらしい。
「なにをそんなに驚くことがある」
 彼はそんなミモザの反応に憮然とした。
「いや、急に声をかけられたもので……」
 ついでに言えば考えごとをしていたせいでもある。
 ステラのことだ。
 姉のあの行為をレオンハルトに相談するかどうかを悩んでいたら、急に声をかけられて飛び上がってしまったのである。
(どうしよdhaうかな……)
 軍警に届け出るというのは選択肢には最初からない。なにせ本人の自白以外に証拠のないことであるし、積極的にステラを追い込む気にはなれないのだ。
(覚悟が甘いな、僕も。……奪うと決めたのに良い人ぶりたいのか?)
 しかしミモザはステラから聖騎士の座をぶんどる覚悟はしていても、ステラから社会的な立場を奪う覚悟はしていなかったのだ。元々はせいぜいが悔しがって地団駄を踏んで欲しかっただけである。笑えるほどに甘っちょろい報復を目論んでいたのだ。
 しかし見捨てると決めたからには、ミモザも覚悟を決めなくてはならないのだろう。
 例えステラがどうなっても、見捨て続ける覚悟を。
「ミモザ?どうした?」
 黙り込むミモザに不審そうにレオンハルトが問いかけた。それに一瞬逡巡し、
「なんでもありません。第1の塔の攻略をしてきました」
 結局ミモザは黙ることを選択した。
 しかしこれはステラに温情をかけたのではない。むしろ逆だ。
(落ちるなら、とことん勝手に落ちていってくれ)
 今ここでステラの罪状を食い止めてあげる義理はミモザにはないのだ。
 ステラの行為に目をつむる。
 それがミモザなりの、『ステラを貶めたい』という自分が抱く悪意に対する礼儀であり、言い訳の許されない悪人になるという覚悟だった。
亜鉛 サプリ亜鉛 の サプリ亜鉛の効果dha epa dha

「君の服をdha

「君の服を買いに行くぞ」
 仕事亜鉛 サプリから帰ってすぐにレオンハルトはそう告げた。
 喧騒の中、2人は街を歩クロムいていた。レオンハルトは行き先がもう決まっているのかすたすたと迷いなく歩く。
(服かー)
 先日だめにしてしまったが、着替えくらいは当然持っている。別にそんなに焦らなくても、と呑気に構えるミモザ亜鉛 サプリに「ここだ」とレオンハルトは足を止めた。
「……え?」
 明らかにミモザのような人物は門前払いされそうな高級そうな店がそこにはそびえ立っていた。

「いらっしゃいませ、ガードナー様」
「服を用途に合わせて一式揃えてもらいたい」
「かしこまりました。こちらのお部屋へどうぞ」
 なんと個室である。通された部屋は普通に広く、そこに次々と服が運び込まれて来る。部屋にはソファとテーブルがあり紅ゴーヤ チャンプルー茶を出されたが、ミモザはそこに座ることもできず立ったままぽかんとその光景を眺めていた。
「ミモザ、座れ」
「れ、れれれレオン様、これは……」
「服を見に行くと言っただろう」
 その不思議そうな表情を見ているとなんだかおかしいのは驚くミモザのような気がしてきてしまう。
(いや、そんなわけない)
 ぶんぶんと気を取り直すようにミモザは首を振る。
「レオン様、僕お金ないです」
 昨日もらった3万ガルドはあるが、それ以外はほとんど母親に送ってしまっている。
「俺が出すから問題ない」
「もアントシアニンの効果、問題です。出していただく理由が……っ」
 言いかけるミモザをレオンハルトは手で制した。
「これは必要経費だ」
「必要経費」
「ああ」
 彼は頷くとソファへと深く腰掛け優雅に紅茶を口に運んだ。
「昨日のように服がダメになることなどこれからざらにある。騎士団では制服は当然支給される。うちの屋敷の使用人の制服も同様だ。それと同じで君を管理する立場にある俺が服を支給するのは当然のことだ」
「な、なるほど」
 確かに仕事を任されるたびに服をダメにしていてはミモザはそのうち破産してしまう。しかし、
「高そうなお店ですよ」
 部屋に並べられた調度品を見て恐ろしくなる。どうせ汚れるなら汚しても罪悪感を抱かない価格帯の品にして欲しいものだ。
「安物だといざという時に足を引っ張られるからな」
「足を引っ張られるdha?」
「環境に適応できないとそれだけで体力を消費する。例えばいつも俺が着ている教会騎士団の制服はチソウ鳥の羽でおられた布でできている」
「はぁ」
 よくわかっていないミモザにレオンハルトはちらりと目線だけを流す。
「丈夫で軽い。羽に空気を含んでいるから寒い地域では暖かいし、暑い地域では通気性がいいので蒸れない。そして高級品だ」
「なるほどー」
 つまり戦うのに快適な服装を用意したいということのようだ。
「ここはチソウ鳥でできた服を取り扱っている。安い店ではまず見ないからな」
「ええと、ありがとうございます」 
 そわそわと相変わらず店の高級感に落ち着かない気持ちになりつつ、とりあえず事情に納得がいったのでミモザもレオンハルトの隣へと腰を落ち着ける。
「それにしてもチソウ鳥?って初めて聞きました。そんな鳥どこに住んでるんですかね」
「過酷な環境にいることが多い鳥だからな。外敵の少ない環境に適応するために優秀な羽毛に進化したんだろう」
 なるほどー、と頷いて紅茶を一口アントシアニンの効果飲む。高級そうな味がする。
「ちなみに名前の由来は過酷な環境に踏み入って餓死しかけた人間がその鳥を見つけて『ごちそうだ!』と叫んだというエピソードだ。焼いて食うと美味い」
「か、可哀想」
 まさかの由来だった。
「羽はむしられるわ食べられるわで散々ですね」
「まぁな」
「ガードナー様、準備が整いました」
 くだらない話を特に笑いもせず続ける師弟に、店の人間が営業スマイルで声をかけた。

「どれがいい?」と尋ねられた。店員もにこにこと笑って「お嬢様は大変お綺麗ですのできっとどれもお似合いですよ」とお世辞を言ってくる。
「えーと、どれがいいですかね」
 人間選択肢が多過ぎると決められなくなるものらしい。というか田舎のおばあちゃんがやっているような服屋にしか行ったことのないミモザにはあまりにもハードルが高すぎた。
「好みはないのか」
「好み……」
 随分と久しぶりな気がする質問にミモザは戸惑う。
(可愛いのがいいと言ったら呆れられるだろうか)
 もごもごとしているミモザに「こちらなどはどうでしょう?」と店員のお姉さんが助け舟を出してくれた。勧められたのはシックだが所々にワ亜鉛 サプリンポイントでレースや花の飾りのついた可愛らしい白いワンピースだ。
 これまでそういった女の子らしい服に飢えていたミモザの目はそのワンピースに釘付けになる。
「ええと」
 それが欲しい、と口にする前に
「いや、それはダメだな」
 とレオンハルトが却下した。ガンッとミモザは頭に重しが乗ったような感覚に陥る。
「だ、だめですか」
 思わず声が震える。そんなミモザの様子にレオンハルトは怪訝そうな顔をしつつ「ああ、ダメだ」と断定した。
「スカートだと戦う時に動きずらい。ズボンに合わせられるものがいい」
 ミモザの目が点になる。
(そりゃそうだ)
 そりゃあ、そうだ。戦うのに都合が良い服を探しに来たのだ。
「えっと」
「そうだな、装飾がどこかに引っかかると困るから装飾のなるべくないものでシルエットの隠れる物にしてくれ」
「シルエットですか?」
 首を傾げるミモザにレオンハルトは頷く。
「内側に防具を付けているだろう。それがわからないような物の方がいい」
「確かに」
 ミモザも頷く。レオンハルトも同様だが、服の内側にミモザは薄い鎖かたびらのような防具を付けている。一応肩や胸あたりにもプレートのような物を仕込んでいる。それが隠れる服の方が見た目的にいいだろう。
「それに君のその鍛えた体格も隠した方が都合がいいしな」
「え?」
「君の容姿は相手の油断を誘える」
 にやアントシアニンの効果り、と悪どい微笑みを浮かべる。しばし惚けた後、その意味を理解してミモザも同調するようににんまりと笑った。
「できるだけ油断を誘えるような子どもっぽい服装にしましょうか」
「そうだな、まぁ年齢相応に可愛らしい服がいい。なるべく争いごととは無縁そうな印象を与えたい」
 2人してふふふ、と笑い合う。
「相手を油断させて不意打ちできるような?」
「相手が君をあなどって手を抜くような」
 勝負が始まる前から自分に有利な状況を整えるのは大事なことだよ、とレオンハルトは囁いた。

 結局服はチソウ鳥の羽毛で編まれた少し丈が長くゆったりとした白いパーカーに黒のショートパンツを合わせたスタイルになった。黒いタイツも今まで同様に履くが、所々に針金のように細い金属を織り込んだ物になっていて強度が増している。
 ミモザは新しい服を着てくるりと一回転する。トップスはシンプルなデザインだが裾と袖口に黒い糸で花の刺繍が施されており可愛らしい印象を与えるものだった。ズボンなのは相変わらずだが、いままでのただただシンプルで男の子っぽいだけだった服装とは雲泥の差である。
「よく似合っている」
 レオンハルトは頷く。それに「えへへ」と笑ってから照れを誤魔化すようにミモザは「そういえば」と呟いた。
「なんだ?」
「えっと、変な質問なんですが、このパーカーとかっていつからあるんですかね」
 そう、実はこの世界、服だけでなくちょくちょく現代にあるような代物を見かけるのである。
 レオンハルトは「なぜそんなことを気にするのか」というクロム顔をしつつ「さあ」と首を捻った。
「パーカーでしたら確か今から150年ほど前にできたと言われていたはずですよ」
 その時控えていた店員さんが答えをくれた。
「150年前?」
「ええ、当時有名な発明家であられたハナコ様が作り出した物です」
(花子……)
 これはおそらく
(異世界チートだ)
「これもそうなのか」
「はい。ハナコ様は機械から食品に至るまでありとあらゆる物を発明致しておりましたから」
「あのー、花子様って……」
 共通認識のように会話が進むのに、恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトは意外そうな顔をした。
「知らないのか?」
「えっと、すみません」
「歴史的な偉人だ。彼女により100年近く文明は進んだと言われている」
(でしょうねー)
 どうりで生活しやすいはずである。
「フルネームはハナコ・タナカと言う」
「う、嘘っぽい」
 『田中花子』はさすがにパーカーの売られている時代には少ない名前だろう。いや、それとも本当に本名だろうか。
「うん?」
「あ、えっと、なんでもないです」
「興味があるなら国立博物館に展示品があったと思うが……」
「あ、大丈夫です。全然、全然」
「そうか?」と怪訝そうにしつつレオンハルトは紙袋を渡してきた。思わず受け取ってからミモザは首を傾げる。
「これは?」
「うん?気に入ったんだろう?」
 それだけを言うとレオンハルトはさっさと店外へと向かってしまった。どうやらもう会計は済んでいるらしい。紙袋の中身を見ると、それは最初に店員に勧められた白いワンピースだった。
「レオン様!」
 慌ててミモザは追いかける。
「これっ!」
「仕事以外の時に着ればいい」
「えっと」
 言葉に詰まる。結局なんと言ったらいいかが分からず、紙袋を抱きしめるとミモザはなんとか亜鉛 サプリ「ありがとうございます」と声を捻り出した。
「ええと、その……」
 けれど他にも何か言うべきことがある気がして、店を出たところで立ち止まる。レオンハルトは怪訝そうに振り返った。
「ミモザ?」
「あ、あのっ!」
「聖騎士様でいらっしゃいますか?」
 しかしそれは言葉にならずに終わった。突然現れた声に遮られたからだ。
 振り返るとそこには上品そうな身なりをした少し年嵩の女性が立っていた。彼女はブラウンの髪をしっかりとお団子に結い上げて黒い服に身を包んでいる。
 まるで喪服のようだ。
「いかにもそうだが、貴方は?」
「私はジェーンと申します」
 その名前を知っている気がしてミモザは首を傾げる。しばし考えて、それをどこで『見たのか』を思い出して唖然とした。
「少しお時間をよろしいでしょうか」
 彼女は試練の塔被害者遺族の会の話の時に見た、試練の塔を封鎖して欲しいというコラムを書いた張本人であった。
亜鉛 サプリマカ サプリゴーヤ チャンプルー亜鉛の効果

 それが起ゴーヤ チャンプルー

 それが起こったのは、ある意味亜鉛の効果必然亜鉛 サプリ おすすめであったのかも知れない。なにせ予兆はあり過ぎるほどにあった。
 しかしすべての災難は最悪なことに同時に訪れたのだ。
「どういうことです?」
「そのままですよゴーヤ チャンプルー。困ったことになりました」
 連絡を受けてかけつけたレオンハルトとミモザに、沈痛そうに額に手を当ててオルタンシアは言った。
「立てこもり事件と野良精霊の大量発生が同時に起きました」
 息を飲む。二の句が継げないミモザに代わり、レオンハルトは「立てこもり事件というのは?」と尋ねた。それに教皇は無言である手紙ゴーヤ チャンプルーを差し出す。それはとても丁寧な犯行声明であった。

『第4の塔に長期滞在致します。大人7名、子ども3名、計10名にて実施いたします。試練の塔被害者遺族の会』

「閉鎖しないのならば立てこもりを止める権利はない、といいたいのでしょう。まぁ実際、入場資格のある者が何日間滞在しようと規制するルールは存在しません」
「いや、大人はともかく子どもはだめってルールだったはずでしょう」
 ガブリエルがうめく。それにオルタンシアは力なく首を横に振った。
「入場管理を担っている人間を脅しつけてマカ サプリ無理矢理入ったようです。厄介なのはここで彼らに死者でも出ようものならこちらの管理責任が問われることです」
「なぜ急にやり方を変えたのでしょう?」
 フレイヤが尋ねる。確かに、コラムを書いて人々の同情を引こうという最初の手段からは、随分とかけ離れた強引な方法であった。
「先日の…、レオンハルト君の件が効いているのかも知れません。彼女はレオンハルト君を取り込むのに失敗しましたから」
「それにしてもあまりにも手段のベクトルが違いすぎる」
 レオンハルトの訝るような言葉にミモザも無言で頷いた。最初の戦略はなんとも慎重で自分たちに利があるように上手く立ち回っている印象だったが、今回の件はあまりに強引すぎておそらく被害者遺族の会に世間はマイナスのイメージしか抱かないだろう。
「仲間割れ、でしょうか?」
 首をひねるミモザに、レオンハルトは「そクロムうだな」と思案した。
「少なくともジェーンを影で操ろうという人間が2人以上はいるのかもしれない。彼らはそれぞれ意思の連携ができていないか、片方が功を焦りすぎたか」
「どちらにしろ重要なのは、このような自分自身を人質として盾にするようなテロリズムに我々は屈するわけにはいかないということと……」
 オルタンシアは首を振る。
「野良精霊の討伐のほうが優先事項であるということです」
 確かに自らの意思で危険に飛び込んだ者と、なんの落ち度もないのに危ない目に遭いそうな者ならば、後者が優先して守られるべきだろう。
「野良精霊の方に王国騎士団、塔の方に教会騎士団で分担してーー」
「というわけにもいかないのです」
 オルタンシアは眉間を押さえる。
「現在だけでも野良精霊の被害が10ヶ所以上で報告されていて数は増える一方です。両騎士団一斉にことにあたっても被害をすべて食い止められるかどうか……」
 レオンハルトも難しい顔で腕を亜鉛 サプリ組んで考え込んでいる。ミモザはちらりと教皇の執務机の上を覗き見た。王都周辺の地図に赤い印がばらばらと点在している。これら全てが野良精霊の大量発生箇所だとしたら、確かにとても人手が足りないだろう。
「ミモザ君、行ってくれませんか?」
 ふいに声が響いた。オルタンシアからの急な名指しにびくりと震える。
「え?」
 その顔をまじまじと見つめるが、彼は真剣な表情を崩さない。
「両騎士団長は指示を出さねばなりませんから言わずもがな、レオンハルト君の戦力は野良精霊の方に必要ですし、英雄がテロリストの命を優先することははばかられます。しかし彼らを放置するわけにはいかない。ですから塔の方はミモザ君、君に任せられませんか?」
「……それしかないか」
 レオンハルトも難しい顔でそれに同意した。
「ミモザ、別に解決する必要はない。ただすべてを片付けて俺が駆けつけるまでの時間を稼いでくれ。第4の塔ならばお前の実力でなんとかなるだろう」
「はぁ、わかりました」
 つまりミモザは彼らの用心棒をして待っていればいいのだろう。いくら塔の中が危ないとはいえ試練に挑むわけではない。能動的に動かなければ危険も少ないはずだ。
「それなら、僕も行きます」
 手を挙げたのは爽やか少年ことジーンだった。
マカ サプリ戦力は多いに越したことはないでしょう」
(うーん…)
 その言葉にミモザはレオンハルトの顔を見る。彼は無言で首を横に振った。薄々わかってはいたが、どうやらレオンハルトは基本的に教会寄りのスタンスらしい。
「申し訳ありませんが……」
 案の定、オルタンシアは申し訳なさそうに首を振る。
「なぜですか!」
「塔の一度に入れる入場人数には制限があるのです。第4の塔は12人が上限です。これは我々が決めたものではなく塔がそれ以上の人数を拒絶するのです」
「なら僕もぎりぎり…」
「1人は連絡役に残しておきたいのです。中の状況が全く確認できなくなるのは困りますし、必要に応じて物資なども運ぶ必要が出るかも知れません」
 ジーンは悔しそうに歯噛みした。
 嘘ではないだろうがそれだけが理由ではないだろう。塔は教会の管理である。ミモザは教会寄りのレオンハルトの弟子だからいいのだろうが、王国騎士団団長の弟子の手を借りたくはないのだろう。それは国に借りを作ることと同義であるし、下手をすれば塔の管理について余計な横やりを入れられかねない。
 塔は金の卵を産む鶏のようなものだ。そのほとんどが塔の管理と維持費に消えるにしてもそこそこの収益にはなっているだろうし、なにより教会としては宗教的価値のある塔の利権を手放したくはないだろう。
「では、ジーンを連絡役にしましょ亜鉛う」
 その時フレイヤが強い口調で提言をした。王国騎士団側としてもこのような機会は見過ごせないらしい。
「ジーンならばいざとなればミモザちゃんと協力して戦えますし、王国騎士団に所属しているわけでもない。適任ですわ」
 名案と言わんばかりに花のようににっこりと笑うフレイヤに、そこが落とし所と考えたのだろう、オルタンシアは「では、お願いしましょうか」と苦笑した。
「ただし、君はあくまで連絡役です。それ以上のことは越権行為ですよ」としっかりと釘を刺すことは忘れなかったのはさすがである。
亜鉛 サプリ おすすめクロムの効能アントシアニンの効果

 しかし突アントシアニンの効果

 しかし突き飛ばされた場所が悪かった。彼は起きあがろうとして地面に手をつき、その手亜鉛 サプリが地面に飲み込まれた。
「………っ!?」
 草に隠れてよくマカ サプリ見えないが、そこは沼であった。この第4の塔はところどころにわかりにくい沼が広がっており、歩ける地面はちゃんと目で見ればわかるようにはなっているものの、よく注意していなマカ と はいと足を踏み外してしまう危険がある。野良精霊に襲われたり、転んだら最後、底なし沼から自力で這い出るのは困難である。
「捕まって!」
 ステラとマシューは駆け寄るとその手を掴んで引っ張り上げた。ずるり、と泥まみれの男の子が沼から引きずり出される。
「大丈夫か?」
 マシューが尋ねると堰を切ったように少年は大声を出して泣き出した。そdhaのままぐずぐずと話し始める。
 いわく、今のは学校のクラスメイトであること、
 いわく、いじめられていること
 いわく、無理矢理連れてこられて突き飛ばされたこと
「……ひどい」
 ステラは表情を曇らせる。
「下手をしたら生死に関わるな」
 マシューも難しい顔でつぶやいた。
 ここは第4の塔である。野良精霊も出現する塔だ。
「……教会騎士の管理はどうなっているのかしら。こんな子を中に通すだなんて、万が一があったら……。いじめも見抜けないだなんてやっぱり管理方法はもっと厳重にするべきだわ」アントシアニンの効果
 ステラは憤然と言った。それにマシューは困ったように眉をさげる。
「いじめかどうかの判断は難しいよ。本人達が違うと言ったら、資格を満たしていた場合は塔に受け入れざるを得ない」
「でも塔は危険な場所なのよ? ここがあるせいでただのいじめが殺人になってしまうかも知れない! ちゃんと抗議しなきゃ!」
「ちょ、ちょっと!」
 そのまま出入り口を管理する騎士に突撃しようとするステラをマシューは慌てて腕を掴んで止めた。
「まずは男の子に怪我がないか確認させてくれ!」
 そう言ってマシューは男の子の全身を確認すると、小さな擦り傷を見つけてそこに手を当てた。
 柔らかい光がじんわりと灯って傷が早送りのように綺麗に塞がる。
「大丈夫かい? 他に怪我は?」ゴーヤ チャンプルー
「だ、だいじょうぶ……」
「そうか、大変だったな」
 なんとか泣き止んだ泥まみれの少年をよしよしと自身が汚れるのも厭わずにマシューは撫でる。少年の目はその優しさに再びうるみ始める。
「あ、あー…、うちには帰れそうか? 送っていくか?」
「ひぐっ、か、帰れるぅ」
「じゃあ入り口まで一緒に行こうか」
 3人で時々少年の泥を落としてやりつつ出入り口へと近づくと、入場管理をしている騎士の中で若い騎士がその様子に気づいて走り寄ってきた。
「どうされました? 救助は必要ですか?」
「もう怪我は治したから問題ないよ、でも事件として報告をあげてもらいたい」
 事件、の言葉に彼は息を呑む。
 試練の塔の内部では原則利用者同士の揉め事は御法度である。事件というのは野良精霊や試練による負傷以外の人為的な被害を意味していた。
 マシューが詳しく報告をしようと口を開くと「そうなの!」と元気よくステラが先に言葉をゴーヤ放った。
「この子、学校のクラスメイトにいじめでここに連れてこられて沼に突き飛ばされたのよ! 今回はたまたまわたし達が見ていたから良かったけど、そうじゃなければ今ごろ命に関わってたかも知れない! どうしてこの子達のことを中へ通したの? 怪しいとは思わなかった?」
「どうしてって……、その、明確な理由がないと拒むことはできませんので……」
 若い騎士は戸惑うように言葉を濁す。それにステラはむっと眉を寄せた。
「貴方達は問題意識が低いわ。塔の管理が甘いせいでただのいじめが殺人事件になるところだったのよ。危険な塔の管理を任されているんだから、それなりの……」
「ステラ!」
 マシューが鋭く遮る。それに騎士はほっと息をついた。
「どうしたの? マシュー」
 ステラはそれに訝しげに返す。マシューは呆れたように首を横に振った。
「どうしたのじゃないよ、彼を責めるのは筋違いだ」
 その言葉にきょとんとして、少し考えた後にステラは頷いた。
「そうね、教会の管理体制の問題だもの。もっと上の立場の人に言うことよね」
「それはそうだけどそうじゃないよ」
クロム ふぅ、とマシューは疲れたようにため息をつく。
「例えばの話だけどさ、今回はいじめに塔が使われたけど、彼らがこの子を川に放り込むことだってあり得たとは思わないかい? 誰にでも近づくことのできる川の管理が甘いとその地域の役所を責めるのはちょっと無理があるだろう? 今回のもそれと同じだよ。悪いのはいじめというイレギュラーな行動をする連中で教会騎士にすべての問題の検出は不可能だ。そりゃあ
川に柵を立てたりはできるだろうけどそういう奴らは柵を乗り越えて同じことをするだろう。今回のは事故じゃなくて事件だからね。報告して改善策は練った方がいいだろうけどそんなに喧嘩腰で言うようなことじゃない」
「……っ、でも!」
「君が今回の件を真剣に考えてくれているのはわかるよ」
 マシューはなだめるように笑いかける。
「けど一つのことにこだわり過ぎて他の人の都合に盲目になるのはよくない。……まぁ、俺が言えたことじゃないんだけど」
「……ミモザみたいなことを言うのね」
 ステラの言葉に彼は「うっ」とうめいて胸を押さえた。
「ま、まぁ、受け売りなのは否定しないよ。あんな残酷に人のメンタルをえぐる奴にあんまり感謝はしたくないけど、まぁ、いっぺん精神的にぶん殴られたおかげで視野は広がったよね……」
 ああ、あの時の騎士団の人間はこういう気持ちだったのかなぁ、とマシューはうつろな目でス亜鉛テラにはよくわからないことをぶつぶつとつぶやく。
「どうして……」
 ステラはそんな彼を呆然と見つめた。頭の中で『何か』がおかしいと騒ぐ。
 おかしい。村ではみんなステラに同意してくれたのに。おかしい。ミモザの言うことばかり優先されるなんて。おかしい。アベルがステラのことを否定するなんて。おかしい。マシューがステラの言葉を受け入れないなんて。
 おかしい。
(前はこう言えば喜んでくれたじゃない)
 そこまで考えてステラははっと我にかえる。
(『前』ってなに?)
 頭がずきずきと痛む。マシューとはこれが初対面のはずだ。
「ステラ?」
 頭を押さえて黙り込むステラに、マシューは不審げに声をかけた。
「頭が痛むのか? どこかにぶつけた?」
「……いいえ、なんでもないの」
 ステラはにっこりと笑う。本当はなんでもなくなんてない。ステラは傷ついている。マシューが裏切ったからだ。
(裏切るってなに?)
「ちょっとめまいがしただけなの。この後に用事があったのを思い出したわ。あとは任せてもいいかしら?」
「え? あ、ああ、大丈夫だよ。お大事に」
 ステラは少年とマシューに微笑みかけ、ついでに若い騎士を見た。彼はその視線に嫌そうに身をすくめる。
(わたしが悪いみたいな顔をしないでよ)
 不愉快な気持ちがステラの中で渦巻く。けれどそれ以上は何も言わずに立ち去ることをステラは選択した。
 これ以上今のマシューと言葉を交わしたくはなかった。
亜鉛 サプリ おすすめ亜鉛 サプリアントシアニンゴーヤ

「疲れた……」 ゴーヤ

「疲れた……ゴーヤdha
 よろよろとミモザはレオンハルト邸の扉を開けた。
 なんだか色々と濃い時間を過ごしてしまった。
 とりあえず顔に塗りたくった染料は泳いでいる間に落ちたが、可能ならお風呂に入ってすっきりしたいクロムところである。
(まずはお風呂、次に何か飲んで、ベッドで寝る)
 やりたいことを夢想しながらふらふら歩いていると、
「ミモザ」
 背後から声がかけられた。
「レオン様」
 今は流石に修行する気にはなれないなと思いつつ振り返ると、彼のそばには白い軍服に身を包んだ教会騎士が立っていた。
 嫌な予感がする。猛烈に。
 そしてそんな予感ほどよく当たるものである。
亜鉛 の サプリ「ちょうどいいところに帰ってきたな。これから教会に一緒に来てくれ」
「えっと、何があったんですか?」
 恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトはいかにも不愉快といった表情で答えた。
「ジーン君とマシュー君が失踪した。おそらくは君の姉、ステラ君のもとにいる」
 ミモザはあんぐりと口を開けた。

「皆さんお聞き及びかとは思いますが、先だっての精神汚染事件の被害者であるジーン君とマシュー君の二名が失踪しました」
 そうオルタンシアは重々しく口を開いた。
 場所はいつも通りのオルタンシア教皇の執務室であるdha epa。もはや恒例かと思われるメンバーがそこには揃っていた。すなわち、ミモザ、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤである。
「それと同時に、彼らと思しき人物がステラ君と思しき人物と連れ立って歩いている姿が目撃されています。証言では彼らはとても仲睦まじそうな様子だったとのことです」
 ダンッと壁を叩く音がした。フレイヤだ。
 彼女は悔しげな顔で嘆いた。
「ジーン! あれほど変な物は食べないようにと言ったのに!」
「妙だな」
「ええ、妙な話です」
 ガブリエル、オルタンシア両名はそれに冷静に告げる。
「一度目はともかく、二度目です。彼らも馬鹿じゃない。差し出されたものを食べるとは思えません」
「何か別の手法で摂取させられたということですか」
 レオンハルトの亜鉛 サプリ問いに、
「その可能性が高いでしょう」
 オルタンシアは頷いた。
(別の手法……)
 ミモザは考える。
(一体どんな?)
 あれは経口摂取以外の方法がないと前回の時にオルタンシアから聞いていた。それもそこそこの量を取らなければならない。そのためにバーナードは飴という形で砂糖で味を誤魔化して食べやすくしたのだろうとのことだった。
「何にせよ、このまま放っておくわけにはいきません」
「俺が行きましょう」
 その言葉にレオンハルトが前に進み出た。
 金色の瞳が、静かにオルタンシアを見つめる。
「確実に捕えるために」
「……そうですねぇ」
「僕にも行かせてください!!」
 決まりかけそうな気配に、慌ててミモザは挙手して訴え出た。
 姉の関わることで除け者になるなどごめんだ。
(それになにより)
 ミモザはレオンハルトのことを心配げに見上げる。
 ここで何もせず、万が一のことがあっては悔やむに悔やみきれない。
亜鉛 レオンハルトが戸惑うように彼女を見た。
「ミモザ、しかし……」
「僕にも行かせてください。必ずお役に立って見せます」
 じっと確かめるように金色の瞳がミモザを見下ろす。それに負けじとミモザは見返した。
 しばらく二人は見つめ合う。それは根比べにも似ていた。
「………いいだろう」
 諦めたように先に目を逸らしたのはレオンハルトだった。彼はふぅ、と息をつく。
「レオン様!」
「ただし」
 喜びに口元を緩めるミモザにレオンハルトは釘を刺す。
「俺の指示に従ってもらう。君のことだから大丈夫だとは思うが……」
「はい」 
 レオンハルトの言いたいことを察して、ミモザは静かに頷いた。
「貴方の指示に従います。足は引っ張りません」
「よし」
 レオンハルトは弟子の物分かりの良さに満足げに頷くとオルタンシアの方を向いて「我々で対応します」と告げた。
 それにオルタンシアが頷く前に、ずいっと割り込む人影がある。フレイヤだ。
 彼女は堂々とその豊かな胸を張ると「当然だけど、わたくしも行くわ」と宣言した。
「オルタンシア様」
 そして銀色の目を細めてオルタンシアに問いかける。
「洗脳を解く方法は、薬が自然クロムの効能に排出される以外にないのですか?」
「そうですねぇ」
 それは重要な質問だった。オルタンシアは難しい表情で記憶を探るように目を瞑る。
「……目には目を、歯には歯を、精神には精神を。強い精神的ショックを与えれば目を覚ます例があったと書物には書いてありましたね」
「わかったわ! 精神的ショックね!」
 フレイヤはその情報に鼻息荒く頷く。
(精神的ショックかぁ……)
 色々とやりようがありそうだな、とミモザも一つ納得するように頷いた。
マカdha epaマカ サプリ

 レオンハクロム

 レオンハルトは英雄である。
 国に被害ゴーヤ チャンプルーをもたらすボス精霊や狂化個体を撃ち倒しクロム、隣国との親善試合で勝利を収めるなどの数々の手柄を挙げたことにより、平民にも関わらず聖騎士の称号とさらには爵位まで賜ったまさに実力ですべてを手に入れたサクセスストーリーの持ち主だ。
 つまり何が言いたいかと言うと、
 天才は人に物を教えるのに向かない。マカ サプリ
 その事実をミモザは今実地で味わっている。

 彼は言った。
「まずは手本を見せよう」
 それはまぁ、いい。そしてさらにこう続けた。
「人間は追い詰められた時に本領を発揮する」と。
「ひぃーー!!」
 衝撃波がミモザの髪をかすめる。
「はっはっは!逃げてるだけじゃ修行にならないぞ!」
 かくして地獄の鬼ごっこの幕が開けた。

 再びレオンハルトの剣から斬撃が衝撃波として放たれる。ミモクロムザはそれを死に物狂いで避けた。
「なにをしてる。同じように攻撃して相殺しろ」
(いや失敗したら死ぬんですが!)
 どうやらレオンハルト的にこの攻撃は見本を見せているつもりらしい。
(なにをしてるじゃない!)
 貴方のほうこそ一体『なにをしている!』と言いたい。
(言えないけど!)
 また衝撃波が放たれた。ミモザが隠れていた岩がチーズのように真っ二つになる。
 ミモザがあちこちの木や岩を盾にしたせいで周囲は大惨事だ。
(まずい……っ)
 遮蔽物が破壊され尽くし、盾にするものがなくなった。
 レオンハルトが犬歯を剥きマカ出しにしてにぃ、と笑う。
「さぁ、防いでみせろ!」
(死ぬ)
 ひやりと冷たいものが体に走る。その時ミモザの身のうちに湧き上がってきたのはどうしてこんな目に合うのかというレオンハルトに対する理不尽な怒りだ。
 学校でいじめられている時も感じていた。もう傷つきたくない。傷つけられたくない。もう誰にも傷つけられるのはーー、
「いやだっ!!」
 その瞬間、一気に膜のような何かがミモザの周りに広がり、レオンハルトの斬撃を防いだ。
「……え?」
 手の中からメイスが消えている。目の前には棘が何本も突き出た半球状の透明な壁が広がっていた。
「防御形態か。なかなか硬そうだな」
 近づいてきたレオンハルトがそれを剣でガンガンと強度を確かめるように叩く。
「防御形態……」
 パッと思わずメモ帳を取り出して確認する。確かゲームの中で亜鉛 の サプリミモザが使っていたものだ。メモには正式名称がわからないので見た目から『ウニの盾』と書いていた。とりあえず使うことが出来たのでチェックをつける。
「なんだそれは?」
「……っ!」
 ミモザのメモ帳をレオンハルトは興味深そうに覗き見ていた。驚いている隙にメモ帳を取り上げられる。
「あっ、それは、なんというか、こういうのが出来たらいいなーっていうやつで!」
「ほぅ?」
 しげしげと内容を検分して、「よくできているな」と彼は頷いた。
「基本を抑えているし、どれも実現可能そうなものばかりだ」
「いやー、ははは……」
 そりゃそうだ。
 どれもゲームの中の『ミモザ』が使っていた技なのだから。
「印がついているのはもう出来ているものかな?」
「はい」
 ふむ、とレオンハルトは一つ頷くと「よくわかった」と言ってミモザにメモ帳を返した。
(何がわかったんだろう)
 嫌な予感がする。猛烈に。
「まずは防御形態のおさらいをしよう。一度できマカ と はたからと言って満足してはいけない。いつでも自分の意思でできるようにならなければな」
 言っていることはごもっともだ。ミモザは頷いた。
「それからメモに書かれていた他の技に関しても可能になるよう協力しよう。ようはその技を出さねばならない状況に追い込めばいいんだ」
 その発言にはミモザは首をぶんぶんと横に振った。次に起きることの予想がついたからだ。
 しかし事態はミモザの予想を裏切った。悪い方向に。
 レオンハルトは笑顔でミモザのことをがしっと掴むと両足に縄を巻き始めた。
「あのー、これは……」
「先ほどので君は追い詰められれば本領を発揮できるということが実証された。しかしちょこまかと逃げ回られると面倒だからな。動けないようにしよう」
 そのまま剣を地面へと打ち付ける。一瞬で地面にぼこっと穴が開いた。煙がたっているところを見るに、おそらく蒸発したようだ。
 そこに縄で結えた両足ごと下半身を入れられて埋められた。
「あの、ご慈悲をいただけないでしょうか?」
 一応聞いてみた。
「これが俺の慈悲だとも」
 笑顔で返された。聖騎士というより魔王の笑みに見えた。
ゴーヤ チャンプルーゴーヤアントシアニンの効果

「な、なんで」 亜鉛 サプリ

「な、なんで」
 ミモザは思わず後退る。
「なんでもよアントシアニン!」
「ステラ、いいから……」
 アベルが止めよポリ ペプチドうとステラの肩に手をかける。
(そうだ!止めろ!お前の責任で止めろ!)
 ミモザは心でエールを送った。しかし、
「ミモザ!」
 ステラはその手を払いのけた。そのままミモザ亜鉛に詰め寄る。
「このままなんていけないわ。許されないまま、許さないままなんて絶対によくない」
(いや、それ決めるのお姉ちゃんじゃないし)
 と、内心で思いつつ姉の迫力に負けて言い出せないミモザである。
 結局ミモザが言えたのは「い、い、いやだ」という弱々しい言葉だけだった。
「ミモザ」
「いやだ」
「ねぇ、お願いよ」
「いやだぁ」
「ミモザだってお友達が減っちゃうのは嫌でしょ?」
「いやだぁ」
 あ、しまゴーヤった、と思った時にはもう遅かった。恐る恐る姉を見ると、彼女は満面の笑みを浮かべていた。
「そうよね!わかってくれるわよね!ミモザ!」
「いや、ちがっ、そうじゃなくて!」
「約束よ!わたしが勝ったら仲直り!」
 そう言ってミモザの両手を取りステラはぶんぶんと振り回すと、教師から集合の合図がかかったことに気づいてそちらへと行ってしまった。
「い、いやだぁ…」
 ぽつんと1人たたずんで、ミモザはぽつりとつぶやいた。
 そしてちょっと泣いた。
 ミモザにとって別の意味で負けられない戦いが始まった瞬間だった。

 学校生活がうんぬん、これからの人生マカがかんぬん。
 校長が何か長い話をしている。それをぼんやりと眺めていると、やっと話が終わったのか壇上から降りていった。
「生徒代表」
 アナウンスに答えて「はい!」と元気よく返事をしたのは、当たり前のようにステラだった。
「宣誓!」
 そのまま選手宣誓を始めるのをぼんやりと眺める。これから始めるのはそれなりに暴力的な行為のはずなのに、それは随分と牧歌的な光景であった。
 定型文のそれはすぐに終わる。ステラの美しいハニーブロンドが青空によく映えた。くるりと身を翻して壇上から降りるその姿はすらりと背筋を伸ばし、自信に満ち溢れている。
 ぶるり、とミモザは身震いをした。
 段々と、ゲームの本編が始まったのだという事実に実感がともなってきたのだ。
 ステラの姿、選手亜鉛の効果宣誓の言葉、あらゆるところに既視感が溢れている。
 どきどきと心臓が脈打つ音が聞こえる。じっとりと汗が滲み出てきていた。教師の指示に従い、試合のための場所へと移動する。
 田舎の村の生徒の数などたかが知れていた。そのため試合のためのコートは2つしかない。ただ校庭に長方形に縄で印がつけられただけの場所だ。
 そのうちの一つへと案内されて立った。目の前に対峙するのは当然、ステラだ。
 彼女の美しいサファイアの瞳が、情熱に燃えて凛とこちらを見据えていた。
「用意を」
 審判役の教師に促され、お互いに守護精霊を武器の姿へと変える。
 ミモザのチロはメイスへと。
 そしてステラのティアラは美しいレイピアへと姿を変えた。
 ぞくぞくと、身が震える。ゲームの姿通りの彼女が目の前にいる。
 ステラの目に不安はない。いつだってそうだった。彼女は自信に溢れ、自身の存在価値を疑わない。
(僕なんかに負けないって思ってるんでしょ)
 マカ サプリステラがレイピアを正面に構える。ミモザもメイスを構えた。
(だからあんな賭けを持ち出したんでしょ?)
 勝つと信じているから、軽々しく『賭け』を持ち出せる。
(そういえば……)
 ミモザが勝った時の対価を決めていなかったな、と思う。ミモザもだが、それくらい自然に彼女は自分の勝ちを確信しているのだ。
「お姉ちゃん、僕が勝ったら何をしてくれるの?」
 そう尋ねると、彼女は驚いた顔をした。
「あら、そういえばそうね。……うーん、じゃあ、わたしにできることならなんでも」
 本当に軽々しいな、とミモザは思う。しかし別にそれでいい。今は、
(せいぜい油断すればいい)
「その言葉、忘れないでね」
「もちろんよ、ミモザ」
 彼女は余裕の表情で微笑んだ。
「両者、準備はいいか?」
 2人は同時に頷く。その姿は鏡写しのように瓜二つなのにその表情は正反対だ。
 1人は微笑んで、
 そしてもう1人は無表情だった。
「試合時間は20分。決着がつかなかった場合は仕切り直しとする。それでは、用意……、始め!」
 戦いの火蓋は切られた。
 その言葉と同時に、ま亜鉛 サプリず動いたのはステラだった。彼女がレイピアをまるでステッキのように振ると、そこから氷の破片が次々と放たれた。それをミモザは走って避ける。
(学校の履修程度でこの威力かよ!)
 地面に突き刺さった破片はそのまま周囲を凍らせる。あっという間にコートの1/3は氷に包まれてしまった。あまり放っておくと足を取られる可能性が高いため、できる限りでメイスを振るい氷を破壊する。
 レベルは3年間修練を積んだミモザのほうが高いはずだ。しかし現時点でMP量も魔法の威力もステラの方が上回っている。
 ステラの弾幕のように放たれ続ける氷を避けながら、ミモザは棘を伸ばして反撃を仕掛けた。しかしそれはあっさりとかわされる。当たり前だ。ミモザの棘は直線でしか攻撃できないため、長距離を取られると軌道が読みやすい。その上コート上では遮蔽物も何もないのだ。複数の棘を伸ばしたところでその数はたかが知れているし、起点が同じ以上あまり数の利点はない。
 そして今回は試合なので時間制限がある。消耗戦は狙えない。
 本当に不公平だと思う。ステラのその才能の半分でもあれば、ミモザはきっと救われたのだろう。
 だってステラはまだ、持っている属性攻撃のうち一つしか出していないのだ。
 ステラの持つ属性は二つ。それは最初から目覚めている。一つは氷、そしてもう一つはーー、
「ミモザ」
 そアントシアニンの効果の時ステラが口を開いた。その唇は褒めるように慈悲深い微笑みをたたえている。
「戦うのがとっても上手になったのね。お姉ちゃんは嬉しいわ」
「何をーー」
「だからね、ミモザ」
 彼女は慈悲深い微笑みのまま、レイピアを天高くに掲げてみせた。
「わたしのとっておき、見せてあげるね」
 その手が振り下ろされる。それはミモザには首を切るギロチンを想像させた。
 彼女のもう一つの属性攻撃、光だ。
dha亜鉛 の サプリdha